今回は、めっきに使用する液の濃度管理によく行われる分析方法である『滴定』について紹介致します
薬品濃度が不明の液と濃度が既知の試薬を反応させて、薬品濃度を知る分析方法です
指示薬を入れることによる色変化で知りたい薬品濃度を見分けるのが一般的です
色変化があった時点の使った試薬量 ×
分子量・価数・サンプル量など化学反応から算出した係数 ×
試薬生成時のズレであるファクター
=知りたい薬品の濃度
となります
滴定の種類は大きく分けて、pHで見分けるタイプ と pH以外で見分けるタイプ の2種類あります
▽酸塩基
酸性の液にはアルカリ性の試薬
アルカリ性の液には酸性の試薬 を使います
酸とアルカリが反応すると水(H2O)になります
あの有名なフェノールフタレインやメチルオレンジが指示薬として使われます
例)洗剤、硫酸
フェノールフタレインを使用した場合
pH8~10が変色域
メチルオレンジを使用した場合
pH3~4.4が変色域
▽酸化還元
濃度を知りたい薬品と試薬との間で織りなす反応の結末を見ます
薬品と試薬の反応が終わり、試薬と指示薬が反応しだすと色が付くといったことがあります
例)シアン
▽沈殿
沈殿物が生成された時を見ます
薬品と試薬の反応が終わり、試薬と指示薬が反応しだすと沈殿が発生するといったことがあります
例)塩化ニッケル
▽キレート
異種のキレート同士で金属原子を奪い合います
金属原子が薬品から離れやすいように、あらかじめ強いアルカリ性にしておくといった前処理をすることがあります
例)硫酸ニッケル
このように滴定は、使用する器具は同じなのですが、成分ごとに合わせて様々な化学反応を利用しており、弊社でも液管理のために毎日欠かさず行っております