スペキュラム合金めっきについて、ご紹介させて頂きます。
まず、このスペキュラム合金とは何であるかと申しますと、錫と銅の合金です。
研究理由は、レアメタルと呼ばれるもののひとつに『ニッケル』が挙げられますが、存在が『レア』であるために、その代替材料が模索され続けているという背景があります。
加えて、金属アレルギーを起こす要素として、ニッケルが挙げられているのです。
特にヨーロッパにおいては、アクセサリー等装飾品にニッケルを使用しないよう厳しく規制されています。
金属アレルギーは、肌に触れる金属に対して汗をかいた時に、汗に含まれる塩素イオンが金属を溶出させることによって引き起こされると言われています。その際に身体から起こる反応ですね。アレルギーは食品や動植物等その要素は様々ですが、金属において生体適合性が良いといわれるチタンについては、発症例数はごく稀であるとのことです。チタン自体は溶出しにくい金属ですので(その分加工や処理も難しいのですが・・・)人工骨等に使用される程の素材です。
話しが逸れましたが、ニッケルは高い耐食性や硬度等を誇り、その優れた性質で生活環境に馴染みの深い金属です。例えば高級鍋にも使用されています。
しかしながら、金属アレルギーを引き起こす原因とわかっていれば、肌に触れる部分への使用はなるべく避けたいものです。しかしながら、アレルギーリスクの少ない貴金属類では、機能を満たしても価格を下げることは不可能。そこで、候補となるのが錫ー銅素材によるスペキュラム合金です。
めっきリスクとして錫にはウィスカーと呼ばれる現象が起こりますが(勿論、対処策もあります)
その特徴を抑えながら銅と合金化させることで、お互いの長所を活かした処理へと変化します。
このスペキュラム合金は先行してアメリカで研究されてきたという代物。装飾品下地やニッケルフリー電子デバイスとして、研究されてきた処理です。
耐食性や接触抵抗に優れておりますので、ニッケルフリーの処理をお考えの際には、一度ご検討頂けましたら幸いです。
実際にビーカーワークより試作対応させて頂いております。
フープ材の量産検討にもご対応させて頂きますので、ご興味がございましたらぜひともお問い合わせくださいませ。