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TECHNOLOGY INFORMATION
技術情報
2023.9.21
研究開発
医療機器向け ステンレス材へのダイレクト金めっきについて
ニッケル下地不要、ステンレスに直接めっきできる金めっき
ダイレクト金めっきとは、下地のニッケルストライクなしでも密着の良い金めっきをつけることができるめっきです。
前処理を工夫し、ステンレスの酸化被膜を除去しながらめっきすることで、直接金めっきをつけることができます。

また、メテックのダイレクト金めっきは、人体に有害であるコバルトやタリウムを含有しません。

下地に使用されるニッケルは金属アレルギーを引き起こす危険性があります。
また金めっきに添加されるコバルトは発がん性があり、 タリウムは人体に有毒です。
含まれる量はごく微量なので、すぐさま人体に影響があるわけではないですが、
医療用として使用するには不向きだと考えられます。
医療の現場で使用されるステンレス
ステンレスは鉄、ニッケル、クロムの合金であり、耐食性が非常に高いことで知られています。
優れた機械的、物理的特性を持っており、様々な形状に加工することができます。
また表面仕上げも容易で、マットなものから光沢のあるものまで加工することができます。

その特性を活かし、医療用として様々な製品に使用されています。

ピンセットや鉗子などの手術用の器具や、医療用インプラントやカテーテルワイヤーなど、
他には装置や計器類にも使用されています。
ステンレスへめっきをつけるには
ステンレスは耐食性が高いため、通常の前処理では密着の良いめっきを付けることができません。
ステンレスに合わせた前処理とニッケルストライクめっきを行うことで、密着の良いめっきを付けることができます。

詳細は下記記事をご参照ください。
ストライクめっき:https://www.metek.co.jp/blog/1263/
ステンレスへのめっき:https://www.metek.co.jp/blog/2058/

しかしニッケルは金属アレルギーを引き起こす危険性があるので、医療機器に用いることができません。

また、通常使用される金めっきには、コバルトやタリウムといった元素が少量含まれます。
これらは、柔らかく摩耗しやすい金を硬くし、耐摩耗性を付与するためのものですが、人体にとって有害です。

そこで、下地にニッケルめっきを使わずに直接ステンレスにめっきでき、
また人体に有害なコバルトやタリウムを使用しない金めっきを開発しました。
ダイレクト金めっきとは
ダイレクト金めっきは下地にニッケルめっきは不要ですが、密着性に問題はありません。
ステンレスにめっきし、350℃、5分耐熱しても、フクレやハガレはありません。

耐熱したサンプルにクロスカット試験を行いました。
金めっきの被膜がはがれることはなく、密着性は良好だと分かります。
まとめ
ステンレスに直接めっきできるダイレクト金めっきについてご紹介しました。

下地にニッケルめっきを使用しないので、アレルギーの心配はありません。

また人体に有害であるコバルトやタリウムを含まないため、医療用に最適です。


ステンレス製の医療機器の中には視認性の向上のため、金めっきされたものがあります。
金は酸化しにくいため変色せず、また明るい色見であるので、目立ちます。
また金は化学的に非常に安定で生体適合性があり、人体にも安心して使用できます。

こういった医療用に最適な金めっきです。


ダイレクト金めっきつきましては、少量試作を承っております。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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