Ag自体、比較的柔らかい金属で、25Hv(ビッカース硬さ)くらいです。
柔らかいと言われる他の金属と比べてみましょう。
Sn 1.5Hv
Ag 25Hv
Al 45~50Hv
Cu 55~100Hv
他の金属との合金となると硬さも変わってきますが、Agが柔らかいことがわかります。
これがめっきとなると、また硬さがかわってきます。
Snめっき 3~60Hv
Agめっき 50~100Hv
Cuめっき 100~160Hv
めっきだと硬くなるのです。これは溶製金属(溶かして得られる金属)よりも
結晶粒が小さいからだと言われています。
大きな粒の集まりだと粒と粒の隙間に空間ができ、粒が動く猶予が生まれます。
力が加わると粒が動いて、変形してしまします。つまり柔らかい。
小さな粒だと空間が非常に小さくなるので粒が動けません。
力が加わっても粒が動かないので、硬いというわけです。
高硬度Agとは、通常のAgめっきの粒子よりもさらに小さいため、
より硬さが増しているAgめっきです。
通常のAgめっき 50~100Hv
高硬度Agめっき 150~210Hv
通常のAgめっきよりもはるかに硬いことがわかります。
また、粒子が小さいことで非常に光沢のある外観になります。
ただしLED用超高光沢Agめっきのような青白い色調ではなく、
若干黄色っぽい銀白色をしています。
硬いことで、耐摩耗性が向上します。
またAgめっきの特性である良好な電気伝導性も持っています。
通常、摺動部分には耐摩耗性の良い硬いめっきであるNiめっきなどが
使用されますが、電気伝導性が劣ります。
そこで、高硬度Agめっきを使用すると電気伝導性を向上させることができます。
またアクセサリーや腕時計のベルトなど、めっきの摩耗が懸念される装飾品へのめっきとしても有効です。
耐摩耗性があるので、めっきが摩耗しづらくなります。
高硬度Agめっきの特徴をまとめます。
①通常のAgめっきよりも硬く、150~210Hvの硬さである。
②耐摩耗性、電気伝導性が良好。
硬い被膜を持っていますので、通常のAgめっきではできなかった用途に使用することができます。
高硬度Agめっきつきましては、少量試作を承っております。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。