無電解Niめっきにはたくさんの種類があります。
Ni-P(ニッケル-リン)めっき
Ni-B(ニッケル-ボロン)めっき
この二つが使用されることが多いですが、このリンやボロンの含有量によって被膜の特性が変わってきます。
なので含有量の多い順に、高リン、中リン、低リン、など別物として扱われます。
また多元合金めっきとして、それぞれのめっきに錫やタングステン、銅、コバルトなどが含まれるものもあります。
それぞれ違った特性を持っているので、用途別に使い分けられています。
無電解Ni-W-B(ニッケル-タングステン-ボロン)めっき
その中でも、Ni-W-B(ニッケル-タングステン-ボロン)めっきについてご紹介します。
含まれるそれぞれの金属は、融点が高いという特徴があります。
ニッケル 1455℃
タングステン 3422℃
ボロン 2180℃
このことから想像がつくように、Ni-W-Bめっきの特徴は、高融点であることです。
ちなみに含有量はそれぞれ、以下のようになります。
ニッケル 95%くらい
タングステン 4%くらい
ボロン 1%未満
他の無電解Niめっきと比較してみましょう。
無電解Ni‐Pめっき
中~高リン 850~950℃
低リン 1200~1400℃
無電解Ni-Bめっき 1350~1400℃
無電解Ni-W-Bめっき 1600℃
他のめっきと比べて融点が高いことがわかります。
無電解Niめっきの特徴として、非常に硬いことがあげられます。
他の無電解Niめっきと比較してみましょう。
無電解Ni‐Pめっき
中~高リン 500~580Hv (耐熱後950Hv)
低リン 700Hv (耐熱後1000Hv)
無電解Ni-Bめっき 780Hv (耐熱後1000Hv)
無電解Ni-W-Bめっき 700~800Hv (耐熱後900Hv)
他の無電解Niめっきと同等の硬さを持っていることがわかります。
無電解Ni-W-Bめっきの特徴をまとめると以下になります。
①他の無電解Niめっきよりも高融点(1600℃)である。
②他の無電解Niめっきと同等の硬度を持つ。
上記の特徴から、高温環境下で使用される部品へのめっきとして有効です。
無電解Niめっきは耐食性に優れますが、もちろんNi-W-Bめっきも優れた耐食性を持っています。
無電解Ni-W-Bめっきつきましては、少量試作を承っております。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。