平滑Niめっきとは、表面に凹凸のない、非常に平滑なNiめっきです。
平滑Niめっきは表面に凹凸がほとんどありませんので、光沢Niめっきよりもさらに光沢度が高くなります。
その上に超高光沢Agめっきをつけた場合の粗さ、光沢度のデータを公開致します。
■表面状態
めっきの厚さは両方とも同じです。
Ni(2um)/Pd(0.018um)/Au(0.0035um)/超高光沢Ag(2.5um)
(1番目の写真=平滑Niめっき、2番目の写真=普通Niめっき)
外観からも分かるように、普通NiめっきはAgめっきをつけても引目が残っていることが分かります。
一方平滑Niめっきをつけた方では引目はほとんど目立ちません。
■表面粗さ
次に接触式表面粗さ計での表面粗さを測定したグラフを示します。
(1番目の写真=平滑Niめっき、2番目の写真=普通Niめっき)
平滑Niめっきを下地にすると、普通Niめっきを下地にした場合より凹凸が少ないことがわかります。
断面がどのようになっているか、観察してみました。
普通Niめっきだと、素材の凹凸はそのままで、Agめっきにも凹凸ができていることが分かります。
平滑Niめっきでは、素材の凹凸をフォローせず、上面は平滑です。
よってAgめっきも凹凸なく平滑です。
粗さを数値で表すと、以下のグラフのようになります。
普通Niめっきが下地の場合はRa 0.1130μmであるのに対し、
平滑Niめっきが下地の場合は0.0438μmと、半分以下の粗さです。
■光沢度
超高光沢Agめっきまでつけた場合の光沢度を比較してみます。
表面の凹凸が小さい分、平滑Niめっきを下地にした方が光沢度も高くなっています。
超高光沢めっきは光沢度が1.8~なので、普通Niめっきでも超高光沢めっきと呼べるのですが、より光沢度が高いものが必要である場合は、下地に平滑Niめっきをつけることが有効です。
平滑Niめっきを下地とした超高光沢Agめっきは、以下の特徴があります。
①外観は、引目がほとんど目立たず、非常に平滑な表面状態である。
②粗さは、普通Niめっきが下地の場合より、Raは半分以下である。
③光沢度は、普通Niめっきが下地の場合1.8なのに対し、2.0以上である。
平滑Niめっきは、より高い光沢度が求められる超高光沢Agめっきの下地として有効であることが確認できました。
平滑Niめっき上の超高光沢Agめっきにつきましては、少量試作を承っております。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。