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TECHNOLOGY INFORMATION
技術情報
2019.3.1
めっきの基本
電流密度は大切だという話1
先日、部内でこんなことがありました。
ある社員Aが、最近知り合った方の名字が珍しかった、と話していました。
その方の名字には「賀」という漢字が入っていたそうで、その社員Aは、「〈佐賀〉の賀」と説明しました。
すると他の社員Bが、「〈滋賀〉の賀と言った方がわかりやすい。」と言いました。
社員Aは九州出身、社員Bは近畿圏出身。こんなところで地方差を感じるとは思いませんでした。
私が説明するとしたら、「〈賀正新年〉の賀」と言うと思います。我ながら、いまいち伝わらなさそうですね。

さて、私、先週・今週と銅めっきの試作をしております。今回はシアン化銅めっきをつけます。なるべく粒子を細かくしてほしいとの要望があり、試作前にテストを行いました。
粒子の細さは、ストライク用なら粒子は粗い、光沢めっき用なら細かく緻密などめっき液の性質にもよりますが、電流密度でも大きく変わってくるのです。
電流密度とは、めっきをつける面積に対して、どれくらいの電流を流すか、ということです。電流密度が低い、つまり面積に対して少しの電流を流すと、めっきはゆっくりとつき、粒子は細かくなります。反対に電流密度が高いと、めっきは早くつきますが、粒子は粗くなります。

今回は光沢剤無し、普通の一般的なめっき教本にのっているようなめっき液を建浴し、めっきをつけてみます。シアン化銅めっきの場合、最適な電流密度は大抵1A/dm2です。
上の写真は低電流密度(0.5A/dm2)でつけた場合、 下の写真は高電流密度(3A/dm2)でつけた場合です。
上の写真の方が白っぽく、下の写真は赤くなっています。どちらも膜厚は同じです。SEMで見てみるともっとわかりやすいです。
上の写真の方はのっぺりしているのに対し、下の写真はとげとげしています。粒子の形状がこんなにも違うので、光の反射具合で白っぽく、または赤っぽく見えるのです。電流密度が違うだけでこれほど差がでてきます。
ただ電流密度が低いと、高い時と比べて、めっきがつくのにかなり時間がかかってしまいます。生産ラインで行うとなると、生産性が落ちてしまいます。
そこで、あることをすると、電流密度が高くても細かい粒子のめっきがつけられるようになるのです。
それはまた次回、ご紹介致します。以上です。
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